2015 九十九里トライアスロン
初めてのトライアスロン挑戦
九十九里トライアスロンは今年で二回目の開催、2000人もの参加者が集まる日本最大規模のトライアスロン大会になった。
スイムは波の高い九十九里の海岸ではなく、一宮川の河口を使って行われる1,5キロ、バイクは九十九里の有料道路を閉鎖して走る40キロ、ランは海岸沿いを南北に10キロ走る、ほぼフラットなコースの為に完走率が非常に高く初心者でも挑める大会なのだ。
しかしながら気軽な気持ちで参加できるほどハードルは低くはない、日々仕事をこなしながら3種目のトレーニングを重ねる事はそれなりの覚悟が必要で、生半可な気持ちでは到底完走は出来ないだろう。
僕はスイムがほとんど泳げなかったので、ここ4ヶ月でなんとか1,5キロを泳げるまでの練習が非常に苦痛だった、DVDとクロールの本とYouTubeで研究し、大会に挑んだ。
常に不安がつきまとっていた。
大会当日
小雨混じりの天気、昼頃には止む予報。
朝4時半起床で5時にお客様のトライアスリートのA氏を迎えに行く、A氏は何度かトライアスロンに参加している方で僕より年齢は上、15年サロンに来てもらっている常連だ、トライアスロンが初めての僕にいろいろアドバイスをしてくれる。
トライアスロンは3種ある為に用意するものが非常に多い、細かいアイテムの使い方や、現地でのトランジションでの準備の仕方など非常に為になった。
一路九十九里の大会会場まで車で移動、駐車場ももちろん用意されている。
6時半会場到着、車で朝食を食べて、バイクを組み立てる。
参加人数が多い為に競技説明会場が駐車場から2キロと遠く、時間に余裕を持たないと大変焦る事になる。
説明会を聞いた後はまた車に戻り、ゼッケンを付けたり、タトゥーシールを貼る、すべての競技に必要なものをトランジションバッグに詰めたりであっという間に時間は過ぎる。
そしてそこからトランジションまでバイクやランに必要なものすべてを持って移動し、ウエットスーツを着用してスタート地点へ向かう、本当ならスタート前にスイムの試泳が出来たのだが、時間がなくて出来なかった、一度もプール以外で泳いだ経験が無いままスタートを迎えなければならなかった不安はかなりのものだった。
スタートからスイム1.5キロ
11時からスタート、人数が多い為に年齢順にWAVEスタートとなる、僕は第7WAVEで11時30分スタート、周りの人は同じくらいの年齢だと思うのだが、見るからに屈強なトライアスロン体系の猛者たちばかりの印象、初心者の僕はただただびびるのみ、スタートを待つ30分が不安と焦りで非常に長かった。
いよいよスタート時間が迫る、フローティングスタートなので立ち泳ぎからのスタートになる、なるべくバトルに巻き込まれないように人の少ない場所を見つけ待機、スタートが近づくにつれてテンションが高まり、皆でかけ声を合わせ気合いを入れる。
そしてスタート、
川の濁りがすごいので(視界ゼロ)何処に自分がいるのかわからない、バトルを避けたつもりだがそれでも人の足や手が体に当たる、水を掻いても人に当たってしまうので前に進まない、水も飲んでしまう、プールでの泳ぎとは別次元でいきなりのパニック!
とりあえず犬かきをしているがパニックなので心拍数がMAXでわけわからない。
開始早々リタイヤを考えた、周りに人が居なくなったので広いスペースが出来、気を取り直してプールを思い出しながら水を掻く、心の中で落ち着けと何度も自分にも言い聞かせる。
ウエットスーツの浮力を感じて、パニックが治まりなんとかクロールが出来るようになった、そこからは自分のペースで遅いながらも泳ぎ出す事が出来た。
川の中から橋の下を見ることなど初めてなので川を泳いでいる自分が何とも不思議な気分になった。
ヘッドアップもままならず方向が確認できないのでどうしても蛇行してしまう、それによって時間もロスする。
折り返しに到着する前に後ろのWAVE人達が追いついて来てしまい、またバトルになってしまった、でももう落ち着いているのでなんとかやり過ごす事が出来た、やっと折り返してからも人が周りに泳いでいるのでしょっちゅう手や足が当たってしまう。
泳ぎに慣れた人は人を土台にして進む事が出来るが、初心者の僕は川をさまよう亀のようでとてつもなく1,5キロが長く感じた。
残り数百メートルのところで右太ももが攣る寸前に、攣ってしまうと溺れる危険があるので手だけで泳ぐ、とてつもなく苦しい時間が過ぎていく、攣りそうな症状も和らいできたので落ち着いてゆっくり足も使って泳ぐ。(かなりあせりました)
息も絶え絶えにスイムアップ、どうにかこうにか足を付かず泳ぎ切る事が出来た、もうレースが終わったかのような達成感、陸に上がったときの喜びは言葉にできない。
しかしまだバイク40キロ、ラン10キロが控えているが、死の危険は心配ないので鼻歌が出そうだった。
バイク40キロ
スイムアップからトランジションまで小走りで進む、泳ぎ終えた達成感で笑みがこぼれる、やればできるじゃん、と自分を褒める。
落ち着いてウエットスーツを脱ぎ、ヘルメット、サングラス、靴下、シューズを履く、会場で貰った水素水を一気飲み、そしてバイクスタート。
往路は北へ向かうのだが向かい風、後半に脚を残そうと思い、抑え気味に走る、アベレージは30キロくらい、抜かれることもあるがあまりあせらず安全走行を心がけた、ここで落車しては水の泡なので慎重に。
20キロの折り返しの加速でまだまだ脚が余裕な事に気づく、追い風区間になりアベレージが上がる、前半飛ばした人達をどんどん追い越す、復路で良い走りができたので気分よくバイクを終えることが出来た。
ラン10キロ
バイクから降りて、トランジションでヘルメットを脱ぎ、ランシューズに履き替え、Mag-onを投入、もう一つは背中に入れる、走り始めるもバイクからランへの切り替えが予想通りなかなか馴染めない、スピード感が全く違うので戸惑う、横っ腹も痛い。
1キロくらい走るとようやく自分の走りが出来るようになる、スイム、バイクで疲労しているのでキロ5分を切るのがやっとだが、周りの人も遅いのでどんどん追い越す。
5キロの折り返しを過ぎてMag-on注入、いつしか横っ腹の痛みも消えていた、徐々にペースアップ、脚の止まった人達を抜き去る、気持ちいい、100人以上は抜いたように思う。
海岸沿いのコースになり、応援の人達もたくさん居て、ゴールも見えてきたので自然と笑顔になる。
そして念願のゴール!!
ランでは一人にも抜かれずに走りきった。
メダルを肩にかけてもらう、至福の瞬間。
ゴール付近ではさまざまなブースがありとてもにぎやか、完走写真を撮ってくれるブースなどもありしばらく完走の余韻に浸る。
後からスタートしたA氏をゴール付近で待つ。
A氏の会社の後輩も合流してパーティーを楽しむ、九十九里名産の炭火で焼いたはまぐりを頬張る、うまい!
楽しくレースを振り返りながらのんびりと過ごした。
苦手だったスイムを経験し、泳ぎ切り、レースを完走してみて、次のトライアスロンレースに向けてよりうまくやってやろうと言う欲が沸いてきた。
苦手を克服できた事が一番の収穫だ、数年前まではスイムなど絶対に無理とあきらめていたが、練習し努力すれば物事はすべて積み重なっていくものなのだ。
スイムに関しては常に死と向き合わなければいけない過酷なものだが、安全に配慮したこうしたレースで経験を積めば、オールマイティに自分が成長していけるだろう。
苦手なものから逃げずにどんどん挑戦して行こう、まだ44歳、人生半ば。
総合 3:02:30
スイム 40:06
バイク 1:36:03
ラン 46:21
総合順位 717位 年齢別順位 175位
まあこんなもんかな。