イカ釣り天国
ピンぼけですみません、スルメイカの船上干しです、でも僕が釣ったものではありません、他人の干してあるものを撮っただけです。
この冬、館山沖でイカが爆釣ということで、いてもたってもいられず初挑戦。
朝3時起きで勝山港の萬栄丸さんに急ぐ、今イカ釣り人気で早く行って船のいい席を取らないと難しい釣りになるのです。
さすがにミヨシとトモは埋まっていた、ミヨシ(船の一番先端側)の隣の2番をゲット、しかしこれが不幸の始まりだった。
雨が降りしきる中、出船、着ていたウエアが古く防水機能が全くなくて、すぐにパンツまで染みてきた、気温が少し高めだったので我慢する。
館山沖まで一時間、低気圧の通過で荒れた海を船は激走する、今まで見た事の無いようなうねりと波しぶき、完全にシケの中、大丈夫だろうか?と不安がよぎる。
荒波を突き進み、到着した釣り場も荒波、うねり暴れ海、風も横から吹き付けて準備もままならない。
そんな中でもイカ釣りのベテラン達は仕掛けを投入する、このプロ根性には恐れ入った、この人たちはネクタイもイカにするほどイカ釣りに情熱を傾けているプロ集団、こんな荒れた海でも次々とイカを釣り上げる。
僕は横風に煽られ仕掛けが絡まり、ほどくのに必死、イカの仕掛けは7メートルもあるので一度絡まると簡単には解けない、やっとほどいて仕掛けを投入したが、イカがいる水深は200メートルの底、素人の僕にはイカが掛かっているのかなどわかるはずが無い。
ましてやうねりで真っすぐ立ってもいられない、ミヨシ側なので揺れも半端ない、波も被るし、そしてついに船酔い、これまた最大級の船酔い。
胃が空っぽなのに吐きまくる。(食事中の方すみません)
そしてついにダウン、キャビンに逃げ込み横になる、横になったらなったで激しい揺れのせいで気持ち悪さはますます激しくなる、地獄絵図・・・
濡れたウエアは寒いし、気持ち悪いわで死にたいくらいだ、いっそのこと殺してくれと思った。
そこからは、ウトウトしたり、吐き気と戦ったりで、15時まで苦しむ。
延々8時間の船酔い、書いていて吐き気が戻ってきた・・・
そして酔いも軽くなってきたので15時、船上へ出てみると、まぶしく空は晴れ渡り、海は凪ぎ、風はそよ風、そしてみなさん釣り人のバケツにはイカが満タンに泳いでいる。
地獄から光り輝く天国へ来た気がした、まさか夢かも?と思ったが、僕のバケツの中は空っぽ・・・
夢ではなかった・・・
周りの人が僕の事を心配してくれていた、そして「仕掛けを入れるだけで釣れるよ、早くやりなよ、時間がないよ」と
時間はもうないが、お言葉に甘えて仕掛けを投入、200メートル下まで仕掛けを落とす、そしてしゃくる。
すると、ぐいーんと重たい手応え、隣の人が「イカが乗ってるよ、よかったね」と、
慎重に慎重に巻き上げる、200メートルが長い、しかし重たい引きに心臓が高鳴る。
そしてついに人生初のイカを釣り上げた!しかも2杯。
みんな「よかったね、お刺身食べられるよ」と、涙が出るくらいうれしい言葉をかけてもらった。
晴れ渡った空が涙でかすんだ・・・笑
釣り人の優しさに触れて何かが僕の中で変わった、大げさかもしれないが確実に変わった。
船長からも助手の人が釣り上げたイカをプレゼントしてもらう。
なんと皆、優しいんだろう。
始めは海のイカ全部釣ってやろうと、欲の皮が突っ張っていた自分を恥じた。
趣味であろうと何事も簡単ではない、調子に乗っていると恥をかくのは自分なのだ。
イカ釣りから人生の教訓を学んだよ。
おかげで家族には透き通る綺麗なイカのお刺身を食べさせる事が出来た。
あまりのイカの白さに、炊きたてのご飯が黄色く感じた。
下の釣果の2杯は僕で、トップは104杯、プロと素人の差はこれほどです。
2015年1月27日釣果: 萬栄丸釣れたかな〜 内房 勝山港 釣り船 萬栄丸からの釣果発信です